障害者更生施設ってどんなところ?

障害者更生施設(身体障害者・知的障害者更生施設)は、
旧障害者福祉法に基づいて設置された施設です。

 

障害者更生施設では、機能訓練や障害の程度や能力に応じて社会生活訓練を行ったり、
職業訓練や健康管理指導を行いながら、
障害者の能力や目的に応じた更生を支援しています。

 

また、障害者更生施設のなかには、
入所型の施設、通所型の施設、両方を併設している施設があります。

障害者更生施設で働いている人の職種

障害者更生施設では、施設長、事務員、生活支援員(相談員)、作業療法士、
介護職員、看護職員、機能訓練指導員、心理職員、医師、栄養士、調理員などが
働いています。

 

入所者がいる施設では、勤務は24時間体制になりますから、
スタッフは交代制で働いています。

 

近年は、通所型の施設が増えていますが、
通所型の施設では、昼間の勤務が主になっています。

障害者更生施設で働いている人が持っている資格

障害者更生施設で働いている人は、社会福祉士、社会福祉主事、介護福祉士、
看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、手話通訳士、言語聴覚士、
臨床心理士、精神保健福祉士、医師、栄養士・管理栄養士、調理師などの
資格を持って勤務しています。

障害者更生のための施設

障害者更生のための施設には、
各障害にあわせて、「肢体不自由者更生施設」、「視覚障害者更生施設」、
「聴覚・言語障害者更生施設」、「内部障害者更生施設」、
「知的障害者更生施設」があります。

 

(1) 肢体不自由者更生施設(通所・入所)

 

●肢体不自由者更生施設の概要

 

肢体不自由者更生施設では、肢体不自由者が入所したり、
通所したりして、社会的公正のために必要な医療や知識、
技能や訓練を行っています。

 

対象者は、18歳以上ですが、場合によって15歳以上となっていて、
基本的に、身の回りのことが自分でできる肢体不自由者です。

 

この対象者に対し、施設では、理学療法や作業療法、運動療法を中心に行い、
生活訓練や職能訓練等も行って、社会生活への参加に導いていきます。

 

また、施設での生活をより充実したものとするために、
旅行や社会見学、年中行事、誕生会、スポーツ大会などを企画し、開催しています。

 

さらに、利用者の家庭との連絡調整や交流なども
肢体不自由者更生施設の重要な役割となっています。

 

入所者が肢体不自由者更生施設を利用できる期間は、
原則として3ヶ月から1年ですが、
特例として半年延長できる場合もあります。

 

・生活訓練とは

 

生活訓練とは、身の回りのことや、家事、健康の自己管理など、
日常で必要なこと全般を、こなすことができるようにするための訓練のことです。

 

・職能訓練とは

 

職能訓練とは、仕事をするための力を養うための訓練のことで、
たとえばパソコン操作や、自動車運転などがあります。

 

●肢体不自由者更生施設(通所・入所)で働いている職員

 

肢体不自由者更生施設では、施設長、事務員、調理員、医師、
職業指導員、生活支援員、理学療法士、作業療法士などが働いています。

 

そして、これらのスタッフが協力しながら、
利用者の機能の維持や、機能の回復に努めます。

 

肢体不自由者更生施設の入所型は、24時間体制で、
交代制での勤務が主ですが、理学療法士や作業療法士などの勤務は、
日勤のみになります。

 

とはいっても、最近は、通所型の施設が増加していて、
全職員が日勤のみというところも多いです。

 

(2) 視覚障害者更生施設(通所・入所)

 

●視覚障害者更生施設の概要

 

視覚障害者更生施設は、何らかの理由によって、
途中から視力に障害を持ってしまった人のための施設です。

 

施設では、自立と社会復帰するための支援をしますが、
入所と通所での訓練を受けることができます。

 

視覚障害者更生施設での訓練内容は、以下のような内容になっています。

 

・生活訓練課程

 

日常生活に必要な歩行、点字、パソコン、生活訓練、調理訓練、
ロービジョン訓練などです。

 

・理療教育課程

 

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などになるための
資格取得を目指す職業訓練です。

 

生活訓練課程を修了すると、家庭に戻って社会復帰したり、
理療教育課程の職業訓練を受ける人もいます。

 

視覚障害者更生施設では、
社会復帰と自立への足がかりとなる支援を中心に行っていますが、
年間を通して、様々なレクリエーション、クラブ活動なども企画・開催し、
心理面でのケアも重要な仕事として行っています。

 

視覚障害者更生施設への入所期間は、
生活訓練課程が1年ほどで、理療教育課程は2〜5年となっています。

 

●視覚障害者更生施設で働いている職員

 

視覚障害者更生施設は、生活支援員、作業指導員など、
施設生活における支援スタッフが働いています。

 

また、医師や看護師、機能訓練士など、
視力障害の治療や訓練を行うスタッフもいますし、
職業指導員としてあん摩マッサージ指圧師、
はり師、きゅう師などもスタッフとして勤務しています。

 

視覚障害者更生施設の入所型は、24時間体制で、
交代制で勤務をします。

 

通所型の視覚障害者更生施設は、日勤のみです。

 

(3) 聴覚・言語障害者更生施設(通所・入所)

 

●聴覚・言語障害者更生施設の概要

 

聴覚・言語障害者更生施設は、聴覚・言語障害者が入所したり通所したりして、
更生のために必要な指導や訓練を受ける施設のことです。

 

聴覚・言語障害者更生施設では、社会の中で自立し、
生活していくための生活訓練や職能訓練を行いながら、
身体や心を豊かにするためのケア、そしてあらゆる援助を行っています。

 

●聴覚・言語障害者更生施設の援助内容

 

・専門医による治療、健康診断。
・機能回復のための診断や訓練。
・基礎学力の学習。
・豊かな社会性を身につけるための学習。
・将来の就労支援のための職場学習やパソコン練習。
・職場見学。
・スポーツ、クラブ活動。
・心理相談。

 

聴覚・言語障害者更生施設の入所期間は、
原則は1年です。

 

しかし、特に必要と認められる場合は、
延長することができます。

 

●聴覚・言語障害者更生施設で働いている職員

 

聴覚・言語障害者更生施設では、施設長、事務員、栄養士、調理員、
嘱託医、生活支援員、職業指導員、医師、言語聴覚士が働いています。

 

特に、言語聴覚士は、聴覚・言語療法のスペシャリストですから、
欠かせない存在です。

 

聴覚・言語障害者更生施設で働くためには手話や口話の知識も必要です。

 

聴覚・言語障害者更生施設の入所型は、24時間体制ですから、
日勤と夜勤の交代制で勤務します。

 

通所型の施設は日勤のみですが、
入所と通所の両方を併設している施設も少なくありません。

 

(4) 内部障害者更生施設(通所・入所)

 

●内部障害者更生施設の概要

 

内部障害者更生施設は、心臓や腎臓、呼吸器や膀胱、直腸、小腸、
HIVなどの内臓機能の障害者が、
自立して社会参加することができるようにするための施設です。

 

入所、或いは通所して、健康の回復と維持を図り、
生活支援や職業訓練、自律訓練を受けます。

 

内部障害者更生施設の入所期間は、
原則は1年です。

 

しかし、特に必要と認められる場合は、
延長することができます。

 

内部障害者更生施設での職業訓練は、
社会生活での自立に向けた実践的な内容になっていて、
経理、農園芸、ビル管理、手工業、印刷、コンピュータ等があります。

 

施設によっては、臨床心理士になるための訓練を
行っている施設もあります。

 

また、訓練だけでなく、入所者や通所者の施設での生活を
より充実させ、楽しいものにすることができるよう、
レクリエーションやイベントなども行われていますし、
就職のための就職面接会なども開催されます。

 

●内部障害者更生施設で働いている職員

 

内部障害者更生施設では、施設長、事務員、栄養士、調理員、医師、
理学療法士、作業療法士、職業指導員、心理判定員、職能判定員、
保健師、看護師などが勤務しています。

 

内部障害者更生施設では、内部障害者向けの食事を管理し、提供する栄養士も、
重要な役割を担います。

 

内部障害者は、心臓や腎臓、呼吸器や膀胱、直腸、小腸、
HIVなどの内臓機能の障害がある人ですから、
外見からは判断できない障害をもっています。

 

一見すると、健常者に見えても、身体の中には大きなハンディを持ち、
苦しみや辛さを多く抱えています。

 

ですから、この内部障害者更生施設で働く職員には、
より深い洞察力、そして理解力が求められます。

 

また、内部障害者更生施設は、医療的管理に重点が置かれているので、
入所の場合は24時間体制で、交替制勤務です。

 

通所の場合は、日勤のみですが、通所と入所を併設している施設も少なくありません。

 

(5) 知的障害者更生施設(通所・入所)

 

●知的障害者更生施設の概要

 

知的障害者更生施設では、知的障害者を援助するだけでなく、
必要な保護をし、自立と社会参加を支援しています。

 

たとえば、施設では、基本的な生活習慣を身につけさせるための食事や入浴、
洗濯や掃除などの自己管理、
利用者の情緒を安定させ、社会生活に積極的に参加するために
必要なことを訓練していきます。

 

施設での生活は、なるべく普通の家庭と同じようなリズムで生活するよう、
起床、食事、入浴、睡眠というリズムが基本です。

 

そのリズムのなかに、職場実習や施設内作業など、
自立に必要なプログラムが加わる形です。

 

そして、買い物や地域行事に参加するなどして、
社会生活に適応する力を養います。

 

●知的障害者更生施設で働いている人の職業

 

知的障害者更生施設では、施設長、事務員、医師、看護師、栄養士、調理師、
生活支援員などが働いています。

 

特に、利用者と密接に関わっていくのは、生活支援員で、
日中活動、各種行事など、利用者の生活全般を支援しています。

 

なるべく、個々の能力や希望にあわせた支援を行うことが求められ、
利用者の成長と自立に立ち会っていくことになります。

 

知的障害者更生施設の入所型は、24時間体制ですから、交替制での勤務です。

 

通所の場合は、日勤のみですが、
通所と入所を併設している施設も少なくありません。